弁理士が何も提案しない現実
弊所が行ったアンケート調査によると、これまで特許事務所を利用した約半数の方が
「特許事務所(弁理士)にもっと提案してほしかった」と思ったという結果があります。
弁理士に相談した際に「もっと提案してほしい」と思っていることもあるし、後日、特許や商標登録の申請の審査結果を見て「あのときもっと提案してほしかった」と思うこともあると思います。
弁理士はどうして何も提案してくれなかったのか?
弁理士はどうして何も提案しなかったのか?
どうして、情報もくれないし提案もしてくれないのでしょうか。
これにははっきりとした原因があります。
それは、あなたが、弁理士に目的地を伝えていなかったから。
もしくは、弁理士があなたの目的地を聞く術がなかったから。
また、これは言い過ぎかもしれませんが、
弁理士が、みなさんのビジネスやみなさんのことに興味がなかったから。
もし街中で地図を見ながら道に迷っている人がいたら
もし街中で地図を見ながら道に迷っている人がいたら、あなたはどのように声をかけますか?
私は、自分から声をかけるのは恥ずかしいタイプですが、でも、道に迷っている人から逆に声をかけられるタイプです。
外国人の方によく声をかけられます(笑)
あなたが声をかけるとすれば、「どちらに行きたいのですか?」って声をかけますよね。
そこで行きたい場所を聞いたら、行き方を教えてあげますよね。
歩いて行くとか、タクシーに乗って行ったほうがいいとか、近くの駅を教えてあげるとか。
こうやって、相手の目的地を知ることで、方向性と手段を教えることができます。
弁理士はあなたの本当の目的地を知りません
でも、多くの弁理士は、あなたが目的地を伝えない限り、あなたの本当の目的地を知ることはできません。
多くの弁理士は、あなたが目的地を弁理士に伝えなければ、あなたの目的地、いわゆるゴールが、単に「特許や商標登録の申請をすること」だと思ってしまいます。
あなたの本当に行きたい目的地が、「特許や商標登録によってビジネスを守ること、安心を得ること」であることを知りません。
また、知り得たとしても、その弁理士が、あなたのビジネスのことを理解できなければ、あなたに、特許や商標登録でビジネスを守る術を伝えられません。
例えば、その弁理士が、特許を取得するための技術がいくら素晴らしくても、ビジネスのことを理解できていなければ、あたなががんばって取得したその特許で、ビジネスを守ることはできないのです。
特許を取得するための技術のことと、ビジネスを守ることとは、全く別ものです。
また、弁理士が、どのような安心を得たいのかを理解できなければ、特許や商標登録を通して、あなたが安心を得ることは難しいです。
つまり、特許や商標登録は、あなたの目的地にいくための手段ですが、弁理士があなたの目的地を知らないと、その手段を目的と勘違いしてしまいます。
その結果、その弁理士にお願いした特許や商標登録は、宝の持ち腐れになってしまいます。
みなさんから弁理士に伝えること、弁理士は聴く力が大切
みなさんにアドバイスするとすれば、弁理士から何も提案がないという前に、「◯◯に行きたいんですけど、どうすればいいですか?」と聞くことが大切になります。
そして、弁理士も常に受け身ではなくて、「どこに行きたいのですか?」と聴かなければなりません。
実は、これは、弁理士に限らず、弁護士、税理士等のいわゆる士業の先生方、さらには、専門家に何かお願いする際には、常に気を付けておくことになります。
「私は◯◯に行きたいんですけど、どうすればいいですか?」と相手にまず聞いてみることが大切です。
私自身も、さまざまな士業の先生や専門家に仕事をお願いしていますが、これを伝えることを心掛けています。