会社名を商標登録することはできますし、会社名を商標登録されている法人も多いです。
ただ、会社名の商標登録が許可されるための注意点がいくつかあります。
その注意点を以下に説明します
会社名が苗字を含んでいる場合
会社名が苗字を含んでいる場合、商標登録を許可されないことがあります(商標法第3条第1項第4号)。
例えば、株式会社佐藤は、商標登録が許可されません。
それは、特許庁が、「株式会社」の部分を除いて、商標登録を許可できるかを判断しているからで、「株式会社」の部分を除いた「佐藤」の部分が一般的な苗字だからです。
「株式会社」を含まない「佐藤」だけで商標登録しようとしても、同様に、それは許可されません。
他に同じ会社名がある場合
他の会社が同じ会社名を使っている場合、商標登録を許可されない場合があります(商標法第4条第1項第8号)。
特に、インターネットで検索したときに、複数の会社が会社名として使っているような場合、商標登録ができない可能性が高くなります。
「株式会社」を除いた部分が既に商標登録されている場合
「株式会社」を除いた部分が既に商標登録されている場合、商標登録を許可されない場合があります(商標法第4条第1項第11号)。
例えば、株式会社 ABC を商標登録しようとした場合に、既に「 ABC」 が商標登録されている場合には商標登録は許可されません。
商標権の権利主張をしてもそれが認められない場合があります
商標登録をすることで商標権が発生します。
その商標権を根拠に、他人が無断で商標を使うのを止めさせる権利主張をすることができます。
会社名でも商標登録できたのに権利主張を認められないのはどういうことと疑問に思われると思います。
権利主張ができないというのは、例えば、商標登録した会社名と同じ会社名を無断で使っている会社に対してその使用を止めるように主張しても認められないということです。
理由は、個人の名前もそう ですが、会社の名称も、自由に使えると言う法律上の保護があるからです(商標法第26条第1項)。
では、会社名を登録するメリットがないかと言うと、そうではないです。
会社名を商標登録しておくことで安心して会社名を使い続けるということができます。
商標登録した会社名等の商標を使い続けることができるというは、商標登録をする一番のメリットです。
ロゴ化して、又は株式会社を除いて商標登録する場合
ロゴ化して、又は株式会社を除いて登録する場合 には、以上のような注意点を実はあまり考えなくてもよくなります。
つまり、「株式会社」がついていても、ロゴであれば商標登録が許可される可能性は高くなりますし、他人がそのロゴを無断で使っている場合にそれを止めさせることができます。
また、「株式会社」を除いた名称部分で商標登録した場合、他人がその名称部分を無断で使っている場合にそれを止めさせることができます。
まとめ
このように、ロゴにしたり、又は株式会社を除いて商標登録する場合には、商標登録が許可される可能性も、権利主張が認められる可能性も大きく異なります。
それもあり、会社名を商標登録する場合には、「株式会社」を付けて商標登録した方が良いのか、ロゴで商標登録した方が良いのか等、検討された方が良いです。
会社名を商標登録する場合には以上のようにいろいろと注意する点があります。
お気をつけ下さい。
なお、今回、「株式会社」を付けている場合を例に挙げていますが、「有限会社」等を付けている場合でも、同じく注意しなければなりません。